マナンガの国境を越え,ケニアのアンボセリ国立公園へと向かった.公園内のホテルで一泊し,野生動物を眺めてからナイロビへ向かう.
マサイとハーフの青年
彼は国境を越えたところにあるショップで働いていた青年.ほんのちょっとしたショッピングが済んで四方山話を交わした.彼の父はマサイ,母は違う部族だそうだ.父には4人の妻がいるそうで,青年とは異母兄弟だという少し年上に見える青年が脇から顔を覗かせてくれた.全然似てはいない.マサイ族は所有する牛の頭数に応じて娶る妻の数が決まるそうで,最大5人だそうだ.イスラムの4人より多い.なので,4人の妻がいるという彼らの父親は相当数の牛を有していることになろう.「それで,君は何頭の牛を持っているの?」と問い質したら,「自分はまだ持っていない,で,お前は何頭を?」と,逆に訊かれた.
ダートを走る
国境を越え,ケニアの車両に乗り換えた.車はこの国境から直ぐのところを東に折れて,「これから天然マッサージ路に入ります」と宣言され,ダートの道をアンボセリ国立公園へ向け走った.日本では見かけない鋼板剥き出し内装のトヨタの4WDサファリカーはダートを80km/hrで疾走する.う〜ん,効き過ぎるマッサージだ.木々の枝の先には鳥の巣という黒い塊がぶら下がっている.枝と枝のY字分岐点ではなく,枝の先っぽであるところが奇妙というか,なぜかおかしく感じられる.
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サルにマンゴーを取られたホテルレストラン
こうしてダートを走り抜け,アンボセリ国立公園にやって来た.さらに公園内を暫く走りオルトカイロッジ(Ol Tukai Lodge)に到着した.広大な庭にはサルや野鳥がいっぱい棲んでいる.
このホテルの快適なオープンレストランでは暫く振りに気の利いた昼食を食べた.同行者がマンゴーを切り分け,ちょっと腰を上げたときサルが近寄って来た.まあ,何も起こらんだろうと高を括っていたら,一瞬の隙を突いて切り分けた半分を持って逃げた.このホテルでは写真中央のように民族衣装を纏ったマサイの従業員が働いており,彼が直ぐに手にした棒を振りかざして追ったが,マンゴーは戻らなかった.ただこの思わぬショーに周りからは拍手が沸き起こった.
下は,国境を越えからアンボセリ国立公園内のオルトカイロッジにかけての写真
マサイ集落の内側
アンボセリ国立公園内には幾つかのマサイ族の集落があるようだ.そのうちの一つを訪問した.集落は丸い住宅を,集落全体が円を成すが如く配置してある.つまり集落は平べったいサイロのようになるわけだ.集落の総戸数は20〜30あろうか.
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個々の家は藁を混ぜた土壁,いや牛糞か?に,小枝を土/牛糞で固めた屋根で作られているようだ.内部は狭く,中央にキッチン,片側に夫婦の寝室,反対側は子供の寝室から成るが,壁で区切られている訳ではなく,1ルームに近い.また窓は殆どなく,真っ暗だった.集落の周りは棘とげのある樹木で覆われ,外来野生動物の襲来を防いでいる.
こうした円筒状の外壁に囲まれ,内側向きに個々の家の出入り口がある集落の形式として,中国南部の客家が頭に浮かぶ.行ったことはないのだが多分何がしかの共通点があるのではなかろうか.
案内してくれた青年
彼が案内してくれた.23歳だそうだ.両側の頬に丸い焼き判の跡がある.これについては3つの意味合いがあるそうだ.
(1)感染防止.←これについてはよく理解できないが,神経系のつぼを焼くことでそうした効果を生じるということかな〜?
(2)マサイとしてのアイデンティティーを表す.
(3)刺青と同じく,装飾として.
判のデザインは○とか,それに線を加えたものなど見かけた.一般に2歳くらいの子供の時に判を押されるので,熱いといった記憶は残らないそうだ.
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歓迎の唄
この集落は観光客がよく訪れるようで,我々の4WDが近づくと,集落入り口近くに集まって歓迎の唄を披露してくれた.男性も女性もスキンヘッドで背が高くスレンダー,着る物も似ている.ただ女性は耳に大きな飾りを下げ,着物の色がより鮮やかだ.男性は必ず棒を携えている.これらの装束は何も観光用に特別保存しているという訳ではなく,野で見かけるときも普通にこの通りである.
女性の耳飾り
耳たぶの下側にはメチャ大きな穴があけられ,重そうな飾りが大量にぶら下がっている.なので更に穴は大きくなる訳だ.耳たぶの上にも小さな穴があけられている.この女性はこの時,上穴には何も付けていないが,もちろん付けている人もしばしば見かける.上にも飾りをつけると耳たぶが折れ曲がるし......ますます大変そうに見えてしまう.
火起こし
火起こしを実演してくれた.先ず地面に,乾燥させ,藁のようになったアフリカゾウの糞を敷く.そこに数mmの孔が開いた黄アカシアの板を載せる.次に,先端をテーパ状に加工した杉製の丸棒を板の孔に刺し,両手で錐揉みする.摩擦熱で発火させるため,もの凄い力で錐揉みが必要であり,三人交代でリレーしながら発火に成功した.こうして起こされた火種は集落内の各家庭に配られるそうである.
こうした火起こしは現在多分必要性が低くなっているのであろうが,マサイ族は現在も病院には行かず,医療は今も薬草などに頼っているそうだ.これは住んでいる環境,牛を追い移動,とかからするとそうであろうと感じられた.
下は,マサイの集落での写真.入村料US$20だったが,おかげで撮影は自由だった.
アンボセリ国立公園はケニヤの南部,タンザニアとの国境近く,まあキリマンジャロの裏側辺りに位置することになろう.上の方にオルトカイロッジから眺めた朝のキリマンジャロは載せたが,あまりくっきりと見る機会はなかったような......
アンボセリは200年前までは浅い湖で,それがかなりの部分干上がって出来たようだ.ただ乾季のこの頃であってもまだ広い沼地はあるし,雨季には相当大きく広がるようである.全体的に見れば,前日訪れたアリューシャなどと比べ圧倒的に木は少なく,砂漠のような趣だ.そのわりに動物は結構多く生息しているようで,原っぱなので見物し易いとも言える.さてどんな動物が見えるか.
アンボセリを去る
アンボセリ公園から出るゲート近くでは,物売りの住民が待機していて大勢寄って来る.すごい売込みで,たじろいでしまう.
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