自然災害発生時における 医療支援活動マニュアル
平成16 年度 厚生労働科学研究費補助金 特別研究事業「新潟県中越地震を踏まえた保健医療における 対応・体制に関する調査研究」
第2部
自然災害後亜急性期
医療班活動マニュアル
国立国際医療センター病院長 近藤 達也
・はじめに
・災害後亜急性期医療支援活動に関する研究班からの提言
・医療活動調整員
チェックリスト
医療調整員マニュアル
・後方支援員
チェックリスト
後方支援マニュアル
< 資料> 搬入物品一覧・活動状況報告
・医師
チェックリスト
医師マニュアル
亜急性期の災害医療支援(医師編)解説
< 資料> 緊急援助隊診療録
・看護師
チェックリスト
看護師マニュアル
< 資料> 外傷処置・外傷のチェックポイント・熱傷看護・救護班員用健康管理セット・医療機材セット・救急蘇生セット
・薬剤師
チェックリスト
薬剤師マニュアル
< 資料> 災害用処方せん・医薬品リスト・薬剤関連資材リスト・需要が予想される医薬品リスト
1995年に発生した阪神大震災時に、被災住民のために個人ボランティアから企業、団体あるいは周辺自治体などの多くの組織が支援活動を実施し、大災害時における支援体制確立の必要性ならびに重要性がそれまで以上に社会に認識された。その結果、大災害発生時の対応として、自治体間協力体制の設立や行政による法的整備、さらには企業内でのボランティア制度の整備などが行われて来ている。また組織毎に災害時対応マニュアルや地域における災害対応体制整備に関する指針なども作成され、いざというときの準備を整えている。
「災害とは自然現象または人為的現象で地域の人間社会生活環境に損害や危害を与え、かつ人命にかかわる現象」といわれている。この定義からすると、いくら激しい自然現象が起こってもそこに人が住んでいなければ災害は起こることはない。災害の規模を小さくするためには、平常時対応として「被害が発生しないようにするための備え(disaster mitigati on)」と「被害の発生が避けられなかった場合にすぐに被害軽減の対応をする備え(disaster preparedness) 」の災害抑止力向上と災害発生後の「応急対応」と「復旧・復興」を含む災害対応力の向上が不可欠な要素である。
災害抑止力には、地震や台風などに備えて建物の強度向上や居住地域整備計画を実施、災害対策計画作成、災害訓練などが含まれており、行政主導の組織的な活動が主たるものとなっている。一方災害対応力は災害発生後の活動で、被災者の生活支援や医療支援を行う応急対応と、ある程度時間が経過した後の通常の社会生活への復帰や地域再建を目指す復旧・復興のための活動などがこれに当たる。これらさまざまな活動の中で、被災住民に対する支援が被災地以外から必要になるものは災害後の災害対応力向上に対する活動である。
今回の新潟中越地震発生後には、多くの医療従事者がボランティアあるいは医療機関派遣チームの一員として被災地で救命救急活動、避難所での診療活動、心のケアのための活動などを実施した。最大震度を記録した新潟県川口町には、国立高度専門医療センターや独立行政法人国立病院機構に所属する多くの施設から救護班が派遣され、発災後3日目から約1ヵ月間、川口町現地対策本部、医師会、現地医療施設、ボランティア団体などと協力して保健医療支援活動を行った。
災害時救護班の活動は日常の診療活動とはかなり異なっている。このような活動に多くの組織が関わる場合には地域の保健医療体制構築とその運営方法、さらには参加する救護班に対しての活動指針の統一が必要であることは言うまでもない。医療班の活動統一に関しては、実際に受診者の疾患治療に関する診療マニュアルと被災地で活動する医療支援班の行動を規定する活動マニュアルが必要と考える。
今回我々は新潟中越地震の支援活動で経験したことをもとに、主に国立高度医療センターと独立行政法人国立病院機構所属の病院を対象として、事前準備も含めて、災害時医療支援活動時の必要事項チェックリストや医療機材、薬剤などをまとめて災害時医療救護班活動マニュアルを作成した。マニュアルの内容は災害医療支援班の構成要員である医師、看護師、薬剤師、後方支援担当(事務係)さらに全体を統括する役割を持つ医療調整員の5つの専門分野別に救護班活動チェックリストと必要資機材リスト、活動指針で構成されており、実際の活動時に使い易いものとなることを心がけた。
災害後亜急性期医療支援活動に関する研究班の提言
新潟中越地震時に、最大震度を記録した川口町に対して、国立高度専門医療センターや独立行政法人国立病院機構が中心となって医療支援活動を実施した。川口町には33の医療機関及び団体が、各医療班を継続的に送り出し、現地において各班が協力調整のうえ、30日間に渡って延べ745人(30日間の延人数)が医療活動を行った。また、県の依頼により保健師なども派遣されていた。活動時期としては発災後3日目から1ヵ月後までの約1ヶ月間であったが、現地においては異なる施設から派遣された医療班と共同で医療支援活動を行うには様々な困難を伴っていた。今後、より効果的な活動を行うために必要と思われることについて、支援活動に参加された方々の経験をもとに以下の3項目について研究班としての提言を� �べさせていただく。
1 避難所の指定ならびに救護所の併設
これまで大規模災害時の亜急性期医療救護活動においては、全国規模で各種の膨大な数の医療チームが車両により現地へ入り、救護が必要な場所を訪ね歩き活動を実施して来た。しかし、活動開始までに膨大な労力と時間を費やし速やかに活動を開始することができない大きな問題を抱えている。現地の情報不足に加え、医療活動全体を取り仕切る指揮命令体制が整っていない状況下での活動は立ち上がりの遅れを覚悟せざるをえない事態となっている。
そこで、大規模災害時に医療チームが入りやすく、また、救護所の医療情報を把握しやすくするための対策として次のことを提案する。
(1) 地域防災計画のうえで大規模災害時の避難所を定め、収容可能人数に応じた必要医療チーム数を想定しておく。(図1)
(2) (注)防災計画作成時には医師会との協力体制が必要
(3) 避難所と救護所を書いた地図を作製し、災害発生時には医療チームが各自治体へ直接出向くか、インターネットを通じて地図を受け取り救護所を目指す。
(4) 小規模避難所は、複数で1 ケ所の救護所をおいたり、大規模避難所は複数の医療チームを置く、巡回診療班を計画する等、地域の実情に合わせて柔軟に検討し基本的な医療班の配置数を決める。
(5) 救護所毎に、診療スペースや、医療チームの居住スペースをあらかじめ定めておき、当該場所は避難者の生活スペースとしないこととしておく。
◎メリット
(1) 医療班は混乱した状況下であっても検討をつけて活動場所を探すことができる。
(2) 短時間で医療活動を開始することができる。
(3) 医療チームの活動状況を容易に把握できる。
(4) 自宅居住者や車上生活者も何処に行けば医療を受けられるかが明確になる。
(5) 地図は救援物資を届ける際にも利用することができ、救援物資の大規模避難所集中化を防ぐことができる。
(6) 地元医師会も協力体制をとりやすくなる。
(7) 地図はボランティア活動者も利用できる。
◎新潟中越地震による検証
平成16年10月31日(発生後8日目)の時点の医療救護所の状況は次のとおり
・避難所数 499箇所
・避難所への避難人数 71,402人
・避難所内救護所の定点数 24箇所
【大規模災害の図式】
● 亜急性期の医療チームに自治体から「避難所MAP」を渡し、現地に入ることをルール化
(図1)
2 医療活動調整
発災直後から48 時間以内は災害支援急性期と呼ばれており、この時期に被災した各市町村の地域災害対策室は現地の資源を利用して被災住民救援を実施しつつ、県災害対策本部へ被災状況を報告して必要な救援要請を行うことになっている。この時期に非被災地から被災地に入る医療支援班はレスキューチームとして災害による受傷者の探索と救急救命活動を行うほか、医療先遣隊として被災地の医療情報を収集して、中央災害対策本部さらには後発医療支援班へ情報提供する役割を有している。(図2)
(図2:災害時医療支援体制)
このような時期に、被災地で円滑な医療支援活動を行うには県中央災害対策本部、被災地域災害対策本部さらに医療支援班のそれぞれに保健医療活動調整を担当する専門職が必要である。
なぜテレの干ばつは、
県災害対策本部(マル1) ならびに被災地域災害対策室(マル2) には、行政官と協力して保健医療対策の指揮をとるため、地域の医療施設あるいは派遣された医療支援班の中から災害対応の訓練を受けた保健医療専門職をそれぞれの対策本部の医療調整員として指名することが望まれる。
医療調整員を中心とする対策本部は、被災地の保健医療に関する情報を分析して支援班などへ提供する一方、利用可能な人材、資機材についての情報を集約して被災地の要望にあった保健医療活動を提供するように努める。(需要・供給調整体制)
被災地で活動する医療支援班のリーダー( 医療調整員:マル3) は、各被災地の会議に参加して活動方針に従った保健医療活動を行うために班内調整を行ったり、地域の情報をまとめて地域災害対策本部へ報告するなどの任務を負う。
(1) 県(中央) 災害対策室医療部門の組織と役割
ア 災害対策組織運営
構成員 県保健医療行政官( 地域担当)
県医師会代表
県災害対策本部医療調整員
災害医療支援班地域代表
イ 活動内容
被災地情報収集・・・・・・調査チーム派遣(先遣隊)
人材供給
薬剤供給
薬剤以外の物資供給
供給資源輸送・患者搬送ルートの確保
輸送手段の確保
需要と供給のマッチングシステム確立
(2) 被災地( 地域) 災害対策室医療部門の組織と役割
ア 被災地域災害対策組織運営
構成員 地域保健医療行政官
地域医療施設会代表
災害医療支援班代表
被災者代表この組織の代表者 地域災害対策医療調整員
イ 活動内容
活動開始・終了報告
各避難所の位置・被災者数確認
定点・巡回診療計画策定
医療班移動手段確保
医療ニーズの把握
地域医療調整官任命
診療方針統一
統一診療記録・統一医療資機材
活動広報
活動日報作成
3 緊急車両道路情報の公開
通行禁止との情報が公開されていても現場では緊急車両は通行可となっている場合がある。特に初期の医療チーム派遣では緊急車両向けの道路情報が公開されればより迅速に医療が実施できる。
災害発生後から亜急性期に救護班が被災地に入る場合、現地の情報、交通手段とその経路さらにはどの被災地に向かうべきかなどについての情報が十分得られないことが多い。大規模災害時に医療チームが入りやすくするための工夫のひとつとして提案したい。
医療活動調整員
亜急性期の災害医療救護班における医療調整員の活動チェックリスト
区分 | 活動項目 |
出発前 | □ 各医療施設における集合時間・出発時間確認 □ 所属医療機関との連絡方法確認 □ 所属医療機関の派遣可能人数と活動期間の確認 □ 急性期救急救命班あるいは先遣隊の情報収集(災害対策本部、保健医療担当者連絡先など) □ 被災地情報収集 □ メンバーの専門性・役割分担確認 □ 災害対策本部へ連絡( 参加報告、班のメンバー及び機能報告) □ 活動地域ならびに移動経路の決定 □ 活動地域・被災状況確認(二次災害を含む) □ 携行機材・薬剤の確認 |
現地での活動準備 | □ 地域対策本部ならびに所属施設へ到着報告 □ 地域災害対策本部へ所属機関の活動方針報告(人員、携行機材、薬剤、活動予定期) □ 医療支援班や地域災害対策本部、地域医療機関などの代表者会議構築・運営 □ 被災地の被災状況ならびに派遣医療ニーズの把握 □ 情報伝達方法の確認 □ 宿舎の決定 □ 患者搬送経路確認 □ 活動地域決定 □ 統一診療方針確認 □ マスコミ対応方法確認 |
救護活動 | □ 朝夕の医療班代表者定例会議参加・運営 □ 所属班の活動計画作成 □ 日報作成 □ 地域保健医療情報収集分析( ニーズ変化の把握) □ 避難所内感染症流行監視 □ 県災害対策本部への補充品要請 □ スタッフ、地元災害対策本部のメンバーの健康管理 □ 後発医療支援班の必要性判断 |
撤退・引き継ぎ | □ 後発医療支援班到着確認 □ 患者の引き継ぎ紹介 □ 撤退条件の確認(地域医療機関やライフラインの復旧などの確認) □ 活動報告書の作成 □ 引継ぎ機材、薬剤リスト作成 □ 所属施設医療班撤退の場合、地域災害対策本部の了承取得 |
医療調整員マニュアル
1 亜急性期医療活動調整
亜急性期には、すでに中央災害対策本部や被災地対策室などが設立されており、多くの場合避難所における保健医療活動が想定される。この場合の医療調整員の役割は地域災害対策本部での活動調整が主なものとなる。対策本部医療調整員は被災地での保健医療計画に基づいて、地域全体の医療活動を指揮する必要があり、災害医療支援活動経験者か災害医療に関する研修修了者などがこの任務に当たる。被災地地域対策本部では行政官が保健医療担当者として任命されている場合が多く、担当者が災害医療支援に関しての専門性を有していれば最適であるが、そうでない場合には医療支援班代表の中から選出し、行政官の補佐を行うべきである。
(図3: 被災地における医療活動調整)
2 各医療支援班の活動調整
各医療支援班が現地に到着後、被災地で医療活動を行う場合には各医療専門家が他の支援班と情報交換や役割分担をおこない活動調整をすべきである。しかしながら、一つの施設が数次に渡り医療支援班を派遣する場合には、自施設の活動方針と地域災害対策本部の活動計画を調整する必要がある。特に、施設から被災地へ最初に派遣される第1 班の活動や活動を終了して撤収する最後の班では災害医療支援活動の専門性を有する調整員が強く求められる。
この場合の調整員の活動は後方支援、医師、看護師、薬剤師などの活動と重複する点がかなりあるが、この項目では派遣第1 班と最終班における医療調整員の活動に関する指針を主に記載する。
【 出発前】
(1) 所属医療機関の派遣可能人数と活動期間の確認
第1次隊医療支援班は所属医療機関がどれほどの規模で被災地の医療支援を行う予定があるかをあらかじめ明確にして災害対策本部に報告する。
・派遣時期:被災地に着く日時を明確にする。
・医療支援班派遣可能な期間:何日間活動可能かを出来るだけ正確に報告する。
・医療支援班構成人数:班員数と何次隊まで送る予定があるかを報告する
・構成要員の専門性:それぞれの班の得意分野について構成要員の専門性を含めて報告する。
・携行機材・薬剤:用意している機材、薬剤リストを提出する。
(2) 被災地情報収集 (二次災害を含む)
出発前に被災状況を把握するための情報収集を行う。出発前の時点でどのような組織がすでにどこで活動しているか知ることも重要である。各組織の連絡先電話番号、情報交換担当者名などを調べておく。少なくとも以下の組織から情報収集を行う。
・医療先遣隊(急性期災害医療支援班)
・災害対策本部(県災害対策本部)
・日本赤十字社
・被災地あるいは被災地周辺医師会
・新聞・ホームページなど
ア 医療班活動方針確認
・自己完結的活動
食料・水の確保
被災地での交通手段確保
テント・寝袋などの必要性検討
・診療方針統一(記録・携行機材)
・構成要員の役割分担(健康管理、記録、連絡)
イ 情報伝達(被災地で活動中)
・地域災害対策室、中央災害対策室、所属組織あるいは機関との情報伝達方法確認
・情報交換担当者や定期情報伝達時間の確認
ウ 活動地域と移動経路の想定
・活動地域の仮決定
・活動目的地までの移動経路を県災害対策本部などに確認
・活動予定地域の地域災害対策室担当者へ連絡
【 現地での活動準備】
(1) 地域災害対策本部での打ち合わせ
・地域対策本部ならびに所属施設へ到着報告
・被災地の被災状況ならびに派遣医療ニーズの把握
・活動地域決定、宿舎の決定
・所属機関の活動方針報告(人員、携行機材、薬剤、活動予定期)
・医療支援班や地域災害対策本部、地域医療機関などの代表者会議参加
統一診療方針確認、患者搬送経路確認、マスコミ対応方法確認
【 救護所活動 】
(1) 被災地における医療活動
・朝夕の医療班代表者定例会議参加・運営
各班の活動計画作成
・地域保健医療情報収集分析(ニーズ変化の把握)
避難所内感染症流行監視、日報作成
・所属機関への定例報告
後発医療支援班の必要性判断
・スタッフ、地元災害対策本部のメンバーの健康管理
【 引継ぎ・撤退 】
(1) 引継ぎ
・後発医療支援班到着確認
・患者の引き継ぎ紹介
・引継ぎ機材、薬剤リスト作成
(2) 撤退時
世界のマングローブ林はどこですか?
・撤退条件の確認(地域医療機関やライフラインの復旧などの確認)
・活動報告書の作成
・所属施設医療班撤退の場合、地域災害対策本部の了承取得
参考資料
1 救急医学Vol. 15, No.13, December 1991 集団災害
2 21 世紀の災害医療体制災害に備える医療のあり方
3 災害の書動機における活動マニュアルとその運用に関する研究班 研究報告書
4 国際災害看護マニュアル
5 Natural Disaster Protecting the Public's Health PAHO
6 JICA 防災と開発2003
7 国際協力機構災害救援医療チーム診療録
後方支援員
亜急性期の災害医療救護班における後方支援活動チェックリスト
区分 | 活動項目 |
出発前 | □ 情報収集のうえ、派遣目的地、派遣ルート、派遣人員構成を決定 □ 活動地点での電気、水道、ガスなどのライフラインの状況を確認 □ 資材物品の準備(搬入物品一覧を参照) □ 車両には前部と後部に救護班と判る表示 □ 出発前に情報を共有化するための打ち合わせ実施 |
現地での活動準備 | □ 移動中は、可能な限り、マスコミ情報・ネット情報・自施設・地元自治体から情報を取得 □ 被災地に入ったら自治体、医療機関、大規模避難所で情報を収集 □ 携帯電話の不通も予想されるため、自施設へ定時に連絡 □ 車両の燃料切れを起こさないために早め早めに燃料補給 □ 被災地へ入る直前に食料等物品調達を再確認 □ 行動記録をつける □ 深夜の行動は、道路事情が悪い場合は禁止 □ 他チームと合流した場合は共同活動を試みる・情報を共有化 |
救護活動 | □ 医療チームを取り巻く構成を確認(避難所責任者、被災者代表、市町村責任者等) □ 救護所内の指揮命令系統を確認 □ 日々の出来事を記録 □ 他チームと様式等をなるべく統一(活動状況報告書を参照) □ 各ミーティングに参加し情報を収集 □ 診療受付、連絡調整、巡回診療補助、掲示物管理等の診療補助業務を積極的に実施 □ 補充物品の調達 □ 自チームの活動日数を自施設と調整 □ 自チームの活動は後続へどう繋げていくかローテーションを検討 □ 医療関係者らしく被災地のマナーを厳守 □ 一般ゴミ、医療ゴミを分別し、最後まで責任を持つ □ 医療チームの健康を守るため食事、活動時間等の生活環境を整える |
撤退・引継ぎ | □ 医療活動の必要性が残っている撤退か、必要性がなくなった撤退であるか見極める ( 他の医療チームに引き継ぐか、医療機関に引き継ぐか医療の継続性を図り撤退) □ 撤退について地元自治体、地元住民(区長等)、地元医療機関の了承を得る □ 診療録は整理し、引き継ぎ機関を確定 □ 撤退のための移動手段を確保 □ 持ち帰る荷物の整理 □ 撤退する際は清掃し、医療廃棄物を含めて持ち帰る |
後方支援マニュアル
【 出発前】
1 派遣人員構成の決定
各医療機関の事情により派遣決定方法、派遣期間、派遣人数、医療活動内容は異なること、また、災害の種類や規模によって医療ニーズが異なるため、チームの編成については状況により柔軟に考慮する。
《チーム構成》
医 師… マスコミ情報等を参考に内科系と外科系の必要性を判断
看護師… 医師1名につき看護師1〜2名
薬剤師… 医療班毎に1名以上
事務系… 医療班毎に1名以上災害発生初期の運転業務は激務であり、途中運転交代の必要性及び活動地決定前後の調整業務並びに情報伝達業務を平行して行うこととなり、チーム内の協力が必要
注)活動開始後、救護所において他チームとの連携が図れる場合のチーム編成は、適宜判断
2 出発までの準備
被災地の情報は混乱し、医療活動に必要な情報や付随するその他現地情報の入手は難しい。 大規模災害時の情報不足は当然であることを念頭に出動準備する。
(1) 情報収集
医療情報… 都道府県の健康福祉関係部局、市町村役場、DMAT からの情報入手を試みる。ただし、被災地を所管する公的機関は情報が混乱しており、必要な情報や指示は得られない場合が多い。情報不足のまま自主的な判断により出発する。
交通情報… 国土交通省道路局の渋滞情報( ) 等、インターネットによる各種の渋滞・通行規制情報を入手すること 現地の状況は刻々と変化しており道路事情は現地でなければ分からない。
気候情報…被災地の気温、今後の気候の見通し等を考慮し持参物品を準備すること 注)先行医療チームから引き継ぐ派遣の場合は、先行医療チームから情報を十分入手すること
(2) 交通手段の決定
・電車、自動車、航空機等の進入手段の選択は、被災地までの距離と地理的条件、持参物品の量、救護班の人数により判断
・救急車を備えている医療機関は、現地活動で威力を発揮するので是非利用すべき
・救急車は交通規制区域内で緊急車両と即座に判別がつき非常に有効
・一般車両を利用して出動する場合は、救護班である旨を車両の前部と後部に大きく表示(緊急車両扱いのために必要)
・道路の陥没等による事故防止のため、日没までに被災地へ到着すること
・悪路や急勾配を通行することもあり、4輪駆動の車両がベスト
(3) 資材物品の準備
別紙「搬入物品一覧」 を参考
《参考》
・公園や河川敷などで車上生活しながら救護活動する場合は、医療チーム自身の健康に影響を与えるため資材物品の量を小規模とし極力短期間の活動とすべき
・家屋等が使用できず、やむを得ず長期派遣となる場合は、医療活動用大型テントが必要
・食料は、災害出動に備えて常時大量に倉庫保管する必要はない。物品(食料)リストを備えておき出動準備段階で購入することで対応可能
・野菜、果物、乳製品、栄養補助食品を持参することも配慮
3 出発前打ち合わせ
諸注意事項説明、持参物品の確認、現地情報の共有化を図るためのミーティングを実施する。
【 現地での活動準備】
1 被災地域内に入り活動拠点場所を決定までに必要なこと
・出発後も情報は刻々と変わる。定期的に自施設と連絡を取り合い情報を入手すること
また、カーラジオや可能であればインターネット(無線)を活用・地元自治体、被災地周辺医療機関、大規模避難所へ出向き周辺の情報を得るが、情報は錯綜しており自主的に活動拠点を探し廻る覚悟が必要
・被災地内では、携帯電話が繋がりにくく不通となることを予想し、あらかじめ定時報告(2時間毎など)を自施設と取り決めておく
・車の燃料は、被災地確保ができなくなることを想定し、早め々に補給
・生鮮食品、弁当等の食料は、被災地域へ入る直前に追加購入
・行動記録をつけること
・深夜の行動は道路事情が悪い場合は禁止
・移動中に他チームと合流した際は共同活動を試み、情報を共有化すること
【 救護所活動 】
1 現地活動の開始
現地での活動で最も大きな問題は、責任者(指揮命令者)が不明確なままで活動を開始することである。そのような状況下で重要なことは、被災地の都道府県、市町村、所轄保健所、避難場所の責任者、被災者の代表、地元医師会、自施設の幹部、自施設の上部機関、他の医療チーム等との調和の中で、各医療チームが活躍し被災者の役に立てる状況を作り出して行くことである。
同一救護所内で複数の医療チームが診療活動を続けることも多く、その場合は中心となる医療施設を決めておき、各医療チーム間が同等の立場で日々のミーティングを行い、医療の変化に対応した救護活動ができるよう、また継続医療が可能となるよう心掛けることも重要である。
(1) 定点の決定
・積極的に避難所での救護活動を開始すること
・避難所責任者と話し合い、救護活動を行わせていただく了解を得ること
・診療場所の確保、荷物を置く場所、寝泊まりする場所を確保すること
(2) 記録
・日々の出来事は記録すること
・記録は後続の医療チームへ引き継ぐことを前提に記録簿を備えること
・自施設や関係機関から日報等を求められることがあるため、各医療チーム間で様式を統一させること(別紙参照:活動状況報告書)
(3) 情報収集
・救護所間ミーティング、救護所内ミーティング、保健所ミーティング等関係のあるものには積極的に参加し情報を交換すること
(4) 診療補助
・診療受付、連絡調整、巡回診療補助、掲示物管理を行うこと
(5) 自施設へ連絡
・必要な情報は、日々自施設の責任者へ連絡すること
(6) 物品調達
・必要物品の調達業務(医療器具、医療材料、衛生材料、生活物品)を行うこと
・関係機関や他チームと共有化を図ること
(7) マスコミ対応
・情報公開は重要な役割である。救護護所又はチーム毎に窓口を統一し業務に影響しない範囲で積極的に対応すること
2 救護活動日数の決定
どのような噴火の種類は、サンタアナがありましたか?
救護活動の先行きが見通せない出動の場合や他機関の医療チームとの関わりが予想できない状況下では、活動開始後に総合的に状況を判断し活動日数やローテーションを決定する。 疲労の程度、生活環境、交代要員の事情、交通事情などを判断し活動日数を決定することとなるが、派遣期間は、短くて4日間、長くて6日間(限度)が適当と考える。
3 被災地でのマナー
・避難所では禁酒(寝酒程度は可)
・喫煙はマナーを守ること
・医療ゴミは最後まで責任を持つ
・救援物資は、被災者のためのものである認識を持つ
・被災地を背景として記念撮影は禁止
・言動、行動は医療関係者らしくすること
・医療活動目的以外は、避難生活居住区域には入らないこと
・他の医療チームとの調和を心掛けること
・他の医療チームの物資を許可なく使用しないこと
4 救護所での食事
持参した非常食やレトルト食品等、限られた食材だけの単調な食事の繰り返しとなる。次第に食料品の現地調達も可能となって来るが、調達する時間的余裕はない。終始、持参したレトルト食品等を消化していくスタイルになる。そのため、果物、野菜、乳製品、栄養補助食品( ビタミン剤) を持参することも心掛る。
(参考)
※ お湯で暖める食品は、一度に調理することが出来ず手間がかかる。缶詰、瓶詰等そのまま食べられるものが便利
※ 食品を温めた水は何度も使い、貴重な水を大切に使う工夫が必要
※ 紙皿は、ラップやビニール袋で覆って使用すると、容器を汚さないで何度も使え、残ったものは生ゴミとして捨てるのに便利
※ 紙コップは、各自名前を書き何度も使用
【 撤退・引き継ぎ 】
1 撤退の留意事項
医療活動の必要性が残されていながら撤退せざるを得ない状況である場合は、他の医療機関に引き継ぐか、地元医療機関に任せる等、医療の継続性を図ったうえで撤退する。医療活動の必要性が薄くなり、地元医療機関に任せるなどの判断は、地元自治体、地元住民( 区長など)、地元医療機関の同意を得て撤退を決定する。
2 撤退時の配慮
・診療録を何処へ引き継ぐか調整すること
・診療録は、救護所毎にとりまとめ、居住地別、50音順などに整理すること
・器材、医薬品、物品は持ち帰るとが原則
・医療廃棄物は持ち帰ることが原則
・使用した場所は現状復帰して引き渡すこと
資料:搬入物品一覧・活動状況報告
医 師
亜急性期の災害医療救護班における医師の活動チェックリスト
区分 | 活動項目 |
出発前 | □ 携行物品を準備する □ 現地の気候と流行が予想される感染症 □ 巡回診療が必要か、また可能か(移動手段の確保) |
現地での活動準備 | □ 活動地点での電気、水道、ガスなどのライフラインの状況を確認する □ 活動地域を地図で把握する( 地図の入手) □ 避難場所と避難者の人数を把握する。(役所で入手) □ 地元医療機関の被害と機能 □ 周辺医療機関の場所の把握と被害と機能 □ 救急患者の受け入れ病院の確保 □ 慢性疾患増悪患者の受け入れ病院の確保 □ 地元医療機関の収容能力 □ 地元医師との話しあい。役割分担の確認。 □ 他の支援チームとの役割分担の決定( 書式有り43頁) |
救護活動 | □ 定点診療を行なう □ 巡回診療を行なう □ 往診を行なう( 広報) □ 心のケアー、肺塞栓症・廃用症候群の予防、公衆衛生活動を行なう □ スタッフ、地元災害対策本部のメンバーの健康管理 □ 重症化しそうな患者を後方支援病院に転送する □ 慢性疾患患者の処方または処方薬の取り寄せを行なう。 □ 診療録・医療支援活動日報の記載と分析 ( 書式有り40 頁、46 頁) □ 救急セット、携帯薬品、その他の物品の確認 □ 定時にミーティングを行なう( 地元保健担当者、地元医師、他の救護班) |
撤退・引継ぎ | □ 巡回診療のニーズが減少した場合は保健師・看護師に任せ往診で対処する □ 地元診療所の機能回復を確認する □ 患者の引き継ぎ紹介を行なう □ 感染症流行のないことを確認する |
医師マニュアル
1 必要とされる情報
(1) 気候(気温、天気)、流行が予想される感染症( )
(2) ライフライン・交通・通信の復旧度チェック
電気・ガス・水道・不通箇所・電話、インターネット、携帯電話
(3) 地元医療機関の被害と機能のチェック(以下の各項目が可能か否か)
病院名 | 場所・所要時間 | TEL | 救急・外来診療時間・科 | 入 院 | 検 査 | 処方※ | 手 術 |
※慢性疾患の処方が可能か否か、○× で簡単に記入すること。地元医師にも直接聴く。
院外薬局( )
(4) 周辺医療機関の機能チェック
病院名 | 場所・所要時間 | TEL | 救急・外来診療時間・科 | 入 院 | 検 査 | 処方※ | 手 術 |
(5) 救急患者・慢性疾患増悪患者の受入病院の確保(後方支援病院)
ア 急患 搬送所要時間( )分 ( )病院:TEL( )窓口Dr. ( )
急患 搬送所要時間( )分 ( )病院:TEL( )窓口Dr. ( )
イ 慢性 搬送所要時間( )分 ( )病院:TEL( )窓口Dr. ( )
2 地元医師・他の支援チームとの話しあい(担当は流動的であり後方支援版の予定表に記入)
役割分担を決める。(定点往診巡回で網羅できているかどうか、夜間の避難状況も調査)
場 所
受持チーム
TEL
定点診療
巡回診療
心のケアー
往診
保健師
【亜急性期の災害医療支援(医師編)解説】
1 亜急性期医療支援の目的は以下の2 つである。
(1) 被災地の医療機関が失った機能を一時的に補う役割の一端を担う。
(2) 災害により生じた新たな医療ニーズに対応する。
2 具体的な診療活動
(1) 定点診療
この時期には一般診療とほぼ変わらないニーズ。下記のような特徴的疾患に注意。
ア 高齢者の体調不良・感冒(後方病院に早めの転送)
イ トイレ不足からくる水分摂取不足・便秘(とにかく水分摂取を指示)
ウ ストレスによる帯状疱疹(顔面、広範な場合は入院)
エ 消化性潰瘍の悪化(早めに入院させる)
オ 精神疾患の悪化(必ず心のケアーチームに相談)
カ 熱傷(気道熱傷の疑われる場合や5% 程度以上の熱傷の場合は迷わず転送)
(2) 巡回診療
検診的役割も担い患者予備軍の掘り起こしに努める。
(3) 往診
できれば避難所を網羅し連絡先を明記する。
(4) 心のケアー・廃用症候群・肺塞栓症などの患者・予備軍の掘り起こし、公衆衛生活動
ア 不眠・精神疾患なら心のケアー
イ 被災後動かない、食事をしない高齢者は積極的に動かすよう指導
ウ 自家用車内で寝泊まりしている被災者にエコノミークラス症候群の啓蒙・体操など指導
エ 感冒食中毒などの感染症予防に手洗いうがいの励行
(5) 災害対策本部のメンバーの健康管理
精神的肉体的に休ませることがベスト。体調不良時には往診・転送
(6) (1)〜(5)で救護班が対応できない患者の早めの搬送・専門家への引き継ぎ
救護班は普段自分が医療活動を行なっている環境・条件とはかけ離れていることを自覚し、重症化しそうな患者はいち早くしかるべき後方支援病院に転送することが肝要である。
(7) 慢性疾患患者の処方
被災地では一般被災者の移動が制限されることが多いので近隣部の病院にかかりつけの被災者は慢性疾患治療薬を手に入れられないことが多い。保健師・近隣病院などと協力し処方を行なう。
(8) 診療の記録・分析
診療録を残し、患者の分析を行なうことで医療ニーズの推移を予測する。なぜならニーズの減少は撤退の条件である。診療録は患者の引き継ぎにも必要である。
3 診療活動を行なうための準備と調整
(1) 情報収集
ア 活動地域(地図の入手、分割・分担の決定)
イ 都市部では移動距離は少ないが山間部、過疎部では移動距離が長く巡回診療が重要。通行止めや規制など移動に制限がある場合も有るため効率良く巡回できるように活動地域を分割する。
ウ 避難場所と人数(役所から入手)
エ 避難所を網羅し巡回診療、啓蒙活動を行なう。
オ 気候(最低気温、最高気温、湿度、流行が予想される感染症)
カ 感染症の流行を防ぐべく公衆衛生活動に努める。ワクチン接種などの必要性がある場合は地元医療機関・災害対策本部と十分相談の上、その接種方法を決定する。
キ 電気水道ガスなどライフラインの状態を確認する。
ク 主に処置に必要な水の確保は重要であるが使用しないでも事足りる場合が多い。必要� ��患者は搬送すべきである。
ケ 地元医療機関の被害と機能のチェック
コ 地元医療機関は被災直後から診療を続けられている場合もあり医師職員とも疲弊していると考えられる。経済的圧迫や支援後の医療機関の置かれる状態に十分配慮した診療支援が求められる。このためには地元医師とよく話しあい役割分担を明確にしておく必要がある。
サ 周辺医療機関の機能チェック
シ 周辺医療機関が問題なく機能している場合は救急患者や入院が必要な患者の受け入れ先として協力が得られる場合がある。できれば搬送時間や対応可能な患者の範囲などの情報を得たい。機能が麻痺あるいは一部麻痺している場合もその病院にかかりつけの慢性疾患患者の処方の問い合わせなどに対応可能かどうかできるだけ情報を得る。
� �� 救急患者・慢性疾患増悪患者の受入病院の確保
セ 周辺医療機関が望ましいがやや遠方でも搬送可能な病院の情報をできるだけ収集しておく。
(2) 地元医師・他の支援チームとの話しあい(ミーティング)
地元医師や他の支援チームとは実際に会って役割分担を明確にした上で、できれば毎日情報を交換し今後の対策を練る。
4 縮小と撤退
次の(1) 〜(3)の条件を満たした時に縮小を考える。(4) が可能となった時、撤退できる。できれば他のチームと話し合って順番に縮小撤退する。一般医療支援の撤退時期の目安は被災後1ヶ月である。
(1) 患者数が減少する
(2) 主要避難所に保健師(看護師)が常駐し、医療機関に被災者の情報の伝達が行なえる
(3) 大規模な感染症の流行がない
(4) 地元診療所の機能が回復しすべての患者の引き継ぎが可能である
JICA 緊急援助隊医療チーム診療録
看 護 師
亜急性期の災害医療救護班における看護師の活動チェックリスト
区分 | 活動項目 |
出発前 | □ 携行用看護物品を用意する(医療器材リスト参照) □ 被災地での活動に必要な看護関連物品を準備する(医療器材リスト参照) □ 現地のライフラインに応じた看護・保健衛生活動に必要なパンフレットを準備(停電の場合は、事前に必要枚数をコピーして準備する) □ 被災状況と収集した情報により、想定される看護の準備をする( マニュアル50,51頁参照) |
現地での活動準備 | □ 活動時点での電気、水道、ガスなどのライフラインの状況を確認する □ 災害対策本部等、地元行政機関の機能状況を確認する □ 近隣医療機関の診療状況について確認する □ 他の医療チーム( 心のケアー、こどものケアー等)が被災地に入っているか確認する □ 医療救護所内の設営をする( マニュアル51頁参照) □ 医療救護所内に衛生材料・看護物品の保管場所を確保する □ 診療の手順についてメンバー内で取り決めをする □ 診療録の取り扱いについて、メンバー内で取り決めをする □ 地元保健師や看護師の活動状況から、どの程度活動を援助すればよいのかを検討する □ それぞれの保健師・看護師の連絡体制のとりかたを確認し、連携に努める □ 連絡体制がない場合、状況に応じて作成する( マニュアル52頁参照) |
救護活動 | □ 医療救護所で、医師の診療介助を行う □ 巡回診療に同行し、被災者のニーズの把握に努める □ 巡回診療に同行し、保健衛生指導パンフレット等を用いて行う □ 巡回診療に同行し、イソジンガーグル・弾性ストッキング・マスク・速乾式手消毒剤等を配布する □ 巡回診療に同行し、必要に応じて被災者の清潔援助を行う □ 巡回診療に同行し、生活物資の過不足の確認をし、災害対策本部等を経由して供給する □ 巡回診療に同行し、高齢者の活動レベルの低下の有無を確認しリハビリについて指導する □ 他の医療救護班等と連携をとり、衛生材料等の不足についてカバーしあう □ 医療廃棄物の処理に気をつける( マニュアル54頁参照) □ 日々のミーティングには必ず参加する □ 宿泊場所の近隣に対して迷惑がかからないように、救護班のモラルについて注意喚起する □ 救護班のメンバーの食事の献立を考え、準備する( メンバー内持ち回り制も考慮する) □ 生活のリズムをメンバーで合わせる( 起床時間・食事・就寝時間) □ 日々の活動内容を日誌として記録する |
撤退・引継ぎ | □ 活動終了時の衛生材料の残数を点検し、取り扱いを検討する( マニュアル55頁参照) □ 活動終了時の携行資機材の定数を確認する □ 救護活動を行う際に連携をとって活動していた相手に、活動終了の連絡を行う □ 救護活動を他の班に引き継ぐ場合は、活動状況や使用物品の残数等を正確に報告する |
看護師マニュアル
【出発前】
1 携行用看護物品の準備
携行する資機材は、必要最低限度にとどめなければならない。とりあえず使うかもしれないので持って行く、という発想は転換し、あるものを最大限に有効活用して救護活動を行なうことが重要となる。創意工夫の視点で、応用技術を駆使した看護ケアーに望む心構えが必要である。
以下の5 点について、現地の状況について情報収集を進めながら携行資機材の準備をする。
(1) 医薬品セット(薬剤師マニュアル68頁参照)
(2) 医療資機材セット(医療資機材セット58、59頁参照)
(3) 生活資機材セット(後方支援マニュアル39頁参照)
(4) 巡回診療用セット 巡回する地域の状況によって、現地でセットをする。持ち運びしやすい鞄やリュックサックなどを準備する。
(5) 蘇生セット(蘇生セット60頁参照)
(6) 救護班員用健康管理セット(救護班員用健康管理セット57頁参照)
2 看護
0 件のコメント:
コメントを投稿